わたし基準の「役に立たない?」MTF講座

これは、わたし、“バーチャル女子高生・佐藤さつき=MTFコスプレイヤー・きみえ”が、自分自身のMTF体験をもとに語る、わたし基準なMTFの方法です。
だから、ほかのMTFやMTF予備軍なひとが読んでも、役に立たないかもしれません。
承知の上で、読んでくださいね。

第1回・服装編〜一着目の私服〜

メイド服やレオタードとか、コスプレ風の服がお好きなひとは多いですよね。
セーラー服やブレザーの学校制服が趣味なひとも多いでしょう。わたしも大好きです。
でも、日常生活でコスプレ風の服ばかりを着てるわけにはいかないわよね。
休日の原宿あたりならともかく、ふつうの街中でそんなかっこうをして歩けば、たちまち後ろ指を差されるでしょう。学校制服だって似たようなもの。もしかしたら、不審者として警察に通報されるかもしれないわよ。
わたしたち大人のMTFにとって、コスプレ服や学校制服はあくまで非日常、ハレの服。
そこでこの講座では、まずはケの服、普段着をそろえることからMTFをはじめることにしましょう。
コスプレ服については、そのうち回をあらためておはなしします。

普段着といっても、男として生活しているふつうのひとは女性用の服を持ってないわよね。
わたしはひとり暮らしですのでなおさら持ってませんでした。
母親や姉妹、パートナーや娘と同居しているひとだったら、そういうひと、つまり家族の服を借りるという手もあります。
でも、無断で借りるにしても、事情を話して借りるにしても、リスクが大きいですよね。
ということで、女性の家族から服を借りるということは考えないで、あくまで自分用の服を自分で買うことをを前提に、おはなしを進めましょう。
自分用の服だったら、着る分にはだれにも気兼ねしないでいいんですもの。

さて、男のかっこうで女性服を買いに出かけます。
どこに行きましょう。近所の小さな商店街にある、“洋品店”の呼び方が似合うような店だと、熟年向けのデザインが多くてまいっちゃいます。
そこで、大きな街(わたしの場合は池袋でした)まで出て、若者向けのファッションビルをながめてみるのがいいでしょう。
ファッションビルのお店には、きれいな服がいっぱい並んでるわ。はじめはウインドウショッピングだけしかできなくても、ファッションセンスのかけらくらいは磨けるはずよね。

いよいよ服を買いにお店に入ります。
でもサイズには気をつけて。
コスプレ服だと、オーダーで買えばいいでしょうし、既製品でもLサイズやXLサイズがあることが多いでしょう。
でもふつうの女性服は1種類しかサイズがないことも多いのです。つまり、女性用のMサイズ(または9号。ヨーロッパ系の店では38番、丸井のruブランドでは1番といいますね。だいたいバスト85cm、ウエスト64cm前後です)だけしかない服がほとんどなの。

参考にはならないかもしれないけど、わたしの場合、胸はアンダーバストが妙に大きかったりします。
肩幅はあまりありませんし、筋肉も脂肪もないのに、肋骨に囲まれた断面積だけがやたらと大きいの。
そのため、トップス(腰より上に着る、ブラウスとかのことです)はLサイズ、11号でないと厳しいのです。
ボトム(腰より下に着る、スカートとかのことです)のほうはといえば、わたしがMTFをはじめたころはウエストが締まってなかったので、ウエスト70cmがやっとでした。
今は少しやせましたので、67cmなら確実に入りますし、64cmでも入るときは入るけどね。
世の中には「大きいサイズのお店」というのもありますけど、この手の店はたいてい13号以上が対象なので、それだとわたしにはちょっと大きすぎるのでした。

わたしの場合はともかく、買っても着られなければどうしようもないのです。入るだけは入っても、身動きがとれないんじゃ意味がないし。
そのうえ、同じMサイズ、9号といっても、お店やブランドによって実際の大きさは違ってくるの。あるお店のMサイズは入らなくても、別のお店のだったら入ることって、よくあるのよ。
だから試着が大切になるんだけど、男モードだと試着は難しいわよね。

そこで、心得その1です。
買っても自分の体に合わなければ、捨てることを覚悟しましょう。
捨てる覚悟ができるようにするためには、いきなり高い一張羅を買うのはいただけないわね。はじめは、わりとカジュアルで安いお店に行くのがよいでしょう。
安いお店。ダイエーでもユニクロでもいいんです。ふだんはあまり安くないお店の、シーズン末期のセール品をねらうのもけっこうです。
けど、わたしは「クレドソル」(または「リオチェーン」)をおすすめするわ。
ここは1900円から3900円と安いアイテムが多いわりには、それなりにおしゃれですし、日本全国にお店があるの。男の服装で入ったときも、何も言われなかったのがうれしかったし。

そして、心得その2
トップスは、ポリエステル系にポリウレタンが混ざったような、伸びる素材の服をおすすめします。ニット系の素材も伸びるからいいわね。
伸びる素材の服は、実際に着てみると、表示のサイズよりも融通がききやすいの。
おなじ理由で、前にボタンがあるブラウスよりは、ボタンのないカットソーやTシャツのほうをおすすめするわ。
胸のサイズがぎりぎりなとき、ボタンはとめにくいけど、カットソーだったら頭から被ってしまえばなんとか入っちゃうものなの。
ボトム(スカート)は、ウエストが問題よね。純女性とちがって、ヒップが気になることはあまりないでしょう。
そこでウエストがひもで調整できるタイプか、ゴムで伸び縮みするタイプのスカートがおすすめです。
これも表示のサイズよりも数センチは融通がきくものね。
ウエストニッパーとか補正下着を使って体形を変えることもできるけど、これは手持ちの女性服が増えてからのお楽しみにしときましょう。

さらに、心得その3
心得その2までを頭に入れたうえでお店に行ったら、速攻で品を選んでしまいましょう。
お店のひとも、男だからと露骨に追い出したりはしないでしょうけど、あまり長居していると不審がられる可能性が高くなります。
ですから、似合うかどうか、きれいかどうかより、着られるかどうか、サイズに融通がききやすいかどうかを優先して、さっさと品を選びましょう。
どうせ捨てるかもしれないって覚悟ができてれば、簡単よね?
あとは堂々と商品をレジへ持っていくだけ。
「プレゼントですか」と尋ねられるかもしれませんけど、そしたら「はい」と答えればいいわ。だって、自分へのプレゼントなんですもの。

こうして、わたしが最初にクレドソルで買った、「着られる」女性服がこれです。
2000年のちょうど今ごろ、春の走りに買ったものなの。このころは無地のパステルカラーが流行ってたんですよね。
アンサンブル アンサンブルインナー
トップスは、前をファスナーでとめる、空色のアンサンブル。インナーともども、伸びる素材です。これで3900円でした。
スカート
スカートは、ひもで長さ調整ができるタイプです(今はひもが切れちゃいましたけど)。夏に向けての明るめな柄です。値段は…2900円だったとおもいます。

さて、お出かけできる女性服を1着買ってしまったら、次からの買い物はずっと楽になります。
だって、その服を着てお店に行けば、たとえリードされたとしても、お店のひとは「このひとが着る服なんだな」と理解してくれるはずですもの。
ということで、次回「服装編〜春〜」をお楽しみにね!

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